和音感持ちのヘンデリアン

モーツアルトやベートーヴェンも讃えまくっていたバロック時代の作曲家ヘンデル(1685.2.23 - 1759.4.14)の和音語を和音感で解析し、その構文を探る

脱線:モーツアルト、そしてフォーレ


W. A. Mozart - Requiem (Mariss Jansons)

 (↑この演奏(W. A. Mozart - Requiem (Mariss Jansons))は、モーツアルトの絶筆とされているLacrimosaまでのプログラム。)

モーツアルト (1756年-1791年) のレクイエムのすごいところは、ちらっちらっと、フォーレ(1845年-1924年)の響きが聞こえること。

「売れる音楽」として父親から強制されていた「ロココ様式」から脱して、バロック期の音楽を研究し、和音のモードの流れによって深みのある情感を表現する音楽に向かったモーツアルトだが、それを懐古趣味ではなく、進化形として示した。


Mozart - String Quartet No.19 in C major K.465 “Dissonance” (Hagen Quartet)

 ↑こちらの曲(Mozart - String Quartet No.19 in C major K.465 “Dissonance”)の最初の部分なんて、もっとすごい。志半ばで若死にしてしまった天才が遺した繊細な芽を、フォーレの耳がキャッチして美しく極めた(↓G. Faure - Piano Quintet No. 2 in C minor, Op. 115)…と考えると、何とも感動の系譜だ。


G. Faure - Piano Quintet No. 2 in C minor, Op. 115

 モツ・レクは、ヘンデル(1685年-1759年)のメサイアを歌い慣れている人には割と歌い易いと思うが、やはり後の時代の音楽で、違う魅力がある。
音のキャラが、よりはっきりしている。
Dies Irae のアルト、死者の魂を狩る死の天使の翼が風を受けて滑空する様子を妄想して歌ったなぁ。