和音感持ちのヘンデリアン

モーツアルトやベートーヴェンも讃えまくっていたバロック時代の作曲家ヘンデル(1685.2.23 - 1759.4.14)の和音語を和音感で解析し、その構文を探る

勉強:音律と和声の深い関係…

資料①:音律[音程]の歴史 http://www2u.biglobe.ne.jp/~rachi/interval.htm

資料②:和声 https://kotobank.jp/word/%E5%92%8C%E5%A3%B0-154108

古典的な機能和声(②によれば「フランスのラモーの『和声論』(1722)によって機能和声法の理論が確立する」)って、なぜあんなに二次元的なの(個人的な感想です)と、疑問に思っていた。

どうも、中全音律に調律された鍵盤楽器(①に「この音律は、16世紀~18世紀までのかなり長い間、鍵盤楽器に採用されていました」とある)で、安全に作曲するためのガイドだったのではなかろうか?と。

①の一番下にある表によれば、モーツアルトの時代には、既に形骸化した規則もあったわけだ。

ヘンデルのコードシーケンスを分析すると、鍵盤楽器が得意とするコードシーケンスだけでなく、ギターのような楽器が得意とするコードシーケンスも効果的に使われている。①にある「すでに、1636年マリン・メルセンヌによって考案されていた12平均律は、リュート等のフレット楽器には採用されていたようで」との記載に、なるほど、と。確かに、その時代のこのようなギター曲もある。


Miguel Rincón | Santiago de Murcia & Gaspar Sanz

かなり聴覚が敏感だったらしいエピソードがあるヘンデルと、同様のエピソードがあるモーツアルト。「嫌な響きを生じる不快和音」は自分の耳ですぐにわかる人々であり、当然ながら、各種和音の響きのニュアンスの違いを聴き分けられる人々なので、安全な作曲のためのガイドにしがみつく必要が無い。

ヘンデル(1685~1759)のポップな音の冒険は、音楽が古典的な機能和声に縛られる前の時代のもので、ロココに飽きてヘンデル作品を熱心に研究したモーツアルト(1756~1791)のポップな音の冒険(ピアノ・ソナタ ヘ長調 K.332


Mozart: Piano Sonata No.12 in F, K.332 - 1. Allegro

の1:11~、4:18~)のような)は、形骸化していた古典的な機能和声の束縛から自由になる試み、という位置づけなのではなかろうか。