和音感持ちのヘンデリアン

モーツアルトやベートーヴェンも讃えまくっていたバロック時代の作曲家ヘンデル(1685.2.23 - 1759.4.14)の和音語を和音感で解析し、その構文を探る

勉強:トライアド(triad)について

Wikipediaの「Triad (music)」の項(https://en.wikipedia.org/wiki/Triad_(music))によれば、「harmonic triad」という用語は、Johannes Lippiusによって、彼の著作「Synopsis musicae novae」(1612)において用いられた造語だそうだ。

「Types of triads」として、
メジャー・トライアド:ドミソ
マイナー・トライアド:ドミ♭ソ
ディミニッシュト・トライアド:ドミ♭ソ♭
オーグメンテッド・トライアド:ドミソ♯
が挙げられている。

Johannes Lippius(1585-1612)とは
ストラスブール(シュトラースブルク)の牧師の息子。子供の頃に既に言語学および自由七科の教育を受け、若くしてストラスブール大学において哲学修士。25歳までに既に講義を持ち、様々な大学を渡り助教授になったが、27歳で死去。(https://en.wikipedia.org/wiki/Johannes_Lippius

「triad」の意味は「三つ組み」。「3」というのは、キリスト教的には「三位一体」を象徴する重要な数字。これら3つの音の組合せによる響きの印象の変化に、宗教的な意味を見出したのだろうか。

私が子供の頃にコードを覚え始めた時、基本的にポピュラー音楽が練習曲だったので、「dim」(diminished)や「aug」(augmented)というコードは、「7」や「m7」や「M7」や「sus4」よりもだいぶ後に登場して、大人の曲の洒落たアレンジに使われるコードであるという印象を抱いていた。

個人的に、「m+5」(ドミ♭ソ♯)は何故「m aug」ではないのかとか(響きとして「m」の情感が「augment」されている印象を受けるのよね)、他のコードの幾つかにも響きの印象を表す名称があってもいいはずとか思っていたのだが、400年以上も昔にラベリングされたものなら、統一性が無いのも仕方がないと納得した。